未来創想コラム

寿陵と終活

投稿日:2013年5月21日

カテゴリ : 手元供養に関するコラム

生前にお墓を建立するという話は聞きます。
寿陵というのだそうです。

近年では、墓地不足という背景もあり、「今のうちに建てておきたい」、「自分の墓は自分で決めたい」、「遺族に負担をかけたくない」などの理由から、生前に建てることを希望する人が増えていると聞きました。
生前にお墓を建てると「死ぬ準備」をしているようで、縁起が悪いように思われがちですが、むしろ寿陵には「寿命を永らえる」という意味があり、縁起が良いこととされています。
もともと中国の長寿を願う風習からきたもので、仏教の教えにおいても、生前に仏事を行うことは「徳の高い」行いとされ、寿陵の墓石に刻む戒名は、お祝い事に用いられる朱文字で入れられるため、縁起が良いことだそうです。
昭和天皇の「武蔵野陵」(東京都八王子市)も寿陵として知られています。

また、寿陵ではありませんが、先祖代々の墓碑の末尾に戒名を刻印して、自分の気持が落ち着いたという70代の女性のお話をお聞きしました。
「気が早いと言われるけれど、生前戒名を授かって、お墓の横にある墓碑に夫と二人の戒名が朱色に塗られているのを見て、心が落ち着きました」
70を過ぎるとそろそろ自分の「死」について真剣に考える年齢なのでしょうか。
私の母も父の介護~葬儀・お墓の建立と「次は自分の番だ」とシミュレーションをしていたのかもしれません。
母は父親が亡くなった時に「お墓を立てる」といいまして、自分の行き先も確保しました。その3年後に本当に自分も入ってしまいました。
また、父の葬儀の際には父の遺影を二人で選びましたが、なかなかいい写真がなくて困りましので、病床の母は自分の遺影を選ぶと言い出しました。私にアルバムを持ってこさせて、「やっぱりこれ、これが好きなの」と自分の好きな写真を選びました。そしてその2週間後に亡くなりました。
その母の七回忌が週末に執り行われます。

私も父と母を亡くして、人が死ぬということを真剣に考え始めました。私の時はどうするか?平均寿命まではまだ30年あるとしても、死はいつやってくるかわかりません。死ぬ時のことを考えておけば、それまでは生きることだけを考えることができます。
「終活」というのもそういうことではないでしょうか。最期を決めて、それまでは自分らしく生きていきたいということですね。