老親とお寺

投稿日:投稿日:2013年10月14日

カテゴリ : 手元供養に関するコラム

以前、お越しになった親子、まだ若いお母さんと小学4年生の息子さん。
お母さんが手元供養品のミニ骨壷を選んでいる間、おとなしくゲーム機で遊んでいました。
時々チラッとお母さんの方をみます。

若いお父さんが突然亡くなって、途方に暮れているお母さん。
息子さんもどうしていいかわからないといった感じですが、それでもお母さんを気遣う気持ちが伝わってきました。
男の子らしく、時々ガサガサ、ウロウロしたりはしていましたが、きっと寂しいのだろうと思うと涙が出そうでした。

家族を亡くした子どもは、悲しみの表現の仕方がわからなかったり、小さいからわからないだろうと何の説明も受けられなかったりします。
リンダ・ゴールドマン氏は、著書「子どもの喪失と悲しみを癒すガイド」の中で以下の4つのプロセスについて説明しています。

  1. 理解すること・・・「死」は身体の機能が停止した状態であることを子どもの発達段階に応じて正直に伝えること。事実は正確に伝える必要がある。
  2. 悲しむこと・・・子どもの悲しみは継続的なプロセスであること。子どもの行動・思考パターン・感情・身体的な症状にあらわれることに理解を示す必要がある。
  3. 思い出を作ること・・・子どもは亡くなった人などを思い出すための方法を確立する必要がある。
  4. 前に進むこと・・・亡くなった人を忘れる、ということではありません。再び人生に参加するための準備を始めること、それまで感じてきた罪の意識を解放しはじめたサイン。

これらの課題を認識し、子どもがどのプロセスにいるのか、課題の途中で前に進めなくなっていたら大人は、子どもが悲しみに取り組み、乗り越えられるように助けてあげることができます。

ご主人を亡くした若いお母さん、自分の悲しみに押しつぶされそうな時に、子どもの悲しみにまで思いは至らないのではないでしょうか。小さいからあまりわかっていないのではないか・・・と勝手に思い込んでいるかもしれません。そんな時に、お母さん以外の人がこの子をケアしてあげられるといいですね。
祖父母だったり、近所の人や学校の先生でもいいかもしれません。誰かの手助けが必要だと思います。

日本にはまだグリーフケアという考え方が広がっていませんが、そろそろ学校でも「喪失」について教えることが必要なのではないでしょうか。

「喪失」は家族を亡くすことだけではありません。
大切にしてきた物の喪失
自然災害などでこれまでの環境を喪失
身体の一部の喪失
自己価値の喪失(身体的・性的虐待等)
スキルや能力に関わる喪失(病気・チームメンバーに選ばれなかった等)等々

「子どもの未解決の悲しみはしばしば学習障害の原因となるだけでなく、持て余すほどの激しい感情を生み、面倒な状況を引き起こしがちです。悲しみを殺人、暴力、虐待などのかたちで世界に投影したり、そのような行き場のない感情を自分自身に投影して自己嫌悪に陥り、はては自殺願望を抱いたり、実際に自殺にいたる可能性もあります。」

「子どもの喪失と悲しみを癒すガイド」 リンダ・コールドマン著 天貝由美子訳 創元社

先日、東日本大震災でお母さんを亡くした小学生と阪神大震災でお母さんを亡くした大学生が「あしなが育英会」の取り組みの中でふれ合っていく姿がドキュメント放送されていました。 同じ思いを経験したからわかること、もあります。
自分がどうやってその困難を乗り越えてきたか追体験することもでき、双方にとって良いことだと思いました。

アメリカには子どものグリーフケアのための「ぬり絵」や「絵本」もあります。
グリーフケアの取り組みがもっと広がっていって欲しいと思います。

手元供養に関するコラム 遺骨ペンダントに関するコラム 手元供養に関するコラム